プロが解説|「保険金で住宅修理」は危険!帯広・十勝でトラブルに遭わないための全知識
【プロが解説】「保険金で住宅修理」は危険!
帯広・十勝でトラブルに遭わないための全知識
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「去年の台風で被害を受けた屋根、火災保険を使えば自己負担ゼロで修理できますよ」
突然訪問してきた業者から、こんな言葉で勧誘された経験はありませんか?一見、親切な提案に聞こえますが、その場で安易に契約してしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれるケースが全国的に多発しており、帯広・十勝エリアも例外ではありません。
今回は、日本損害保険協会の発表している情報をもとに、悪質な住宅修理業者の主な手口と、トラブルを未然に防ぐための重要なポイントを、地元の保険代理店の目線から分かりやすく解説します。
⚠️ まずは知って!悪質業者の4つの典型的な手口
「保険金が使える」と勧誘する業者とのトラブルは、主に以下の4つのパターンに分類されます。それぞれの危険性をしっかり理解しておきましょう。
手口1:高額な「解約料」を請求される
最も多いトラブルの一つです。「保険金が下りなかった」「やっぱり修理をやめたい」とキャンセルを申し出ると、「保険申請のコンサルティング費用」「調査費用」などの名目で、保険金の30%~50%や、数十万円もの高額な解約料を請求されます。契約書の隅に小さな文字で書かれていることが多く、「手数料は保険金から払えるので実質無料ですよ」といった説明を鵜呑みにしてはいけません。
手口2:「考える時間を与えず」契約を迫る
「今すぐ契約しないと次の台風に間に合わない」「今日だけの特別価格です」などと巧みに不安を煽り、家族や専門家に相談する時間を与えずにその場での契約を強く迫ります。屋根に上り、わざと破損させて「大変なことになっていますよ」と見せる悪質なケースさえあります。一度サインしてしまうと、後のキャンセルが非常に困難になるため、毅然と断ることが重要です。
手口3:「ウソの理由」で請求するよう唆される
経年劣化による自然な傷や汚れは、当然ながら火災保険の対象外です。しかし、悪質業者はそれらを「この前の台風の被害ということにしておきましょう」と、虚偽の理由で保険金請求をするよう持ちかけてきます。これは保険金詐欺にあたる明らかな犯罪行為であり、発覚した場合は保険契約が解除されるだけでなく、契約者自身が罪に問われる可能性があります。
手口4:「ずさんな工事」で泣き寝入り
保険金が支払われ、工事代金を全額支払ったものの、実際に行われた修理が非常にずさんであったり、見積もりとは違う安価な材料を使われたりするケースです。修理後すぐに雨漏りが再発するなどの被害も。工事後に業者と連絡が取れなくなり、結局別の業者に再修理を依頼することになり、泣き寝入りせざるを得ない状況に陥ります。
トラブルから身を守るための5つの鉄則
このような悪質な業者から身を守るため、日本損害保険協会は以下の5つのポイントを挙げています。一つひとつ、しっかり確認しましょう。
✅ 鉄則1:すぐに契約しない・サインしない
これが最も重要です。どんなに魅力的な提案でも、その場で契約せず、まずは「家族(または加入している保険代理店)に相談してからでないと決められません」と伝え、必ず一度帰ってもらいましょう。優良な業者であれば、これを拒むことはありません。
✅ 鉄則2:保険金が支払われるかは、保険会社が決める
修理業者が「絶対に保険金がおります」「過去の実績から見て100万円は出ます」などと断言しても、それを鵜呑みにしてはいけません。最終的に保険金を支払うか、またその金額を決定するのは、契約先の保険会社が行う損害調査の結果によります。
✅ 鉄則3:修理費用は、実際の損害額の範囲内
保険金は、あくまで「損害を元に戻すため」の費用として支払われます。必要以上の過剰な修理を行ったり、グレードアップしたりしても、その全額が保険金でカバーされるとは限りません。差額は自己負担となることを理解しておく必要があります。
✅ 鉄則4:解約料の規定を必ず確認する
万が一契約を検討する際には、契約書を隅々まで確認し、特に「解約料」「手数料」に関する項目に不明な点があれば、必ず書面で説明を求めましょう。口頭での「大丈夫ですよ」は信用せず、少しでも納得できない点があれば契約すべきではありません。
✅ 鉄則5:ウソの理由での請求は絶対にしない
「ついでに気になっていた他の古い箇所も、今回の災害のせいにして直しましょう」といった提案は、典型的な詐欺の手口です。軽い気持ちで加担してしまうと、保険金詐欺の片棒を担ぐことになり、お客様自身が法的に罰せられる可能性があります。
困ったときの公的な相談窓口
トラブルに巻き込まれてしまった、または契約に不安がある場合は、一人で悩まず以下の専門機関にご相談ください。
- 消費生活センター等(局番なしの188):契約トラブル全般に関する相談ができます。
- (公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル):住宅専門の相談窓口です。
- 警察相談専用電話(#9110):脅迫めいた請求など、犯罪の可能性がある場合に相談できます。
当社の火災保険にご加入中のお客様へ
当社、遠藤損害保険事務所の火災保険にご加入いただいているお客様で、ご自宅の被害について「この場合は保険の対象になるの?」といったご不安やご不明な点がございましたら、修理業者と契約される前に、まず当社へご連絡ください。ご契約内容の確認から保険金請求の手続きまで、担当者が責任をもって無料でサポートいたします。
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